「指示するだけで調査・資料作成まで完了」エージェントAI「Manus」を試してわかった、中小企業での活用シーン3選

公開日: 2026年05月05日
カテゴリ: ツール紹介


経営者の方へ
「調べてまとめておいて」と一言言えば、リサーチから資料作成まで済ませてくれるAIツールが、すでに使える段階に来ています。
このツールを知らないまま放置すると、競合他社が担当者1人分の工数を削減している間、自社だけが手作業を続けることになります。
まず「Manus(マナス)」という名前と「何ができるか」だけを今日確認してみてください。

AI推進担当者の方へ
AIに「指示する」だけでなく「任せて完了まで待つ」という使い方が、中小企業でも現実的な選択肢になりつつあります。
今月中に、社内で繰り返し発生している調査・まとめ業務を1つ選び、Manusに試しで任せてみてください。
「AIが勝手に動いて仕事を終わらせた」という実績を1件作ると、経営層への説明がぐっと楽になります。


この記事でわかること

  • 「AIに指示したのに結局自分でやり直している」という状況がなぜ起きるのか
  • エージェントAIと普通のAIチャットの違いは何か
  • Manusを使うと、どんな中小企業の業務に具体的に役立つのか(3シーン)
  • 「うちで試すべきか、まだ早いか」を自分で判断できる基準
  • 今週中に無料でできる最初の一歩

まず一言で言うと

要は「指示を出したら最後まで自分でやり遂げてくれるAI」のことです。普通のAIチャットが「質問に答えるだけ」なのに対して、Manusは「ネットで調べて、整理して、資料まで作る」という一連の作業を、途中で何度も聞いてこなくても完了させてくれます。お店でたとえると、「アレを探して」と言ったら自分で棚を回って、見つけて、まとめて持ってきてくれる店員さんのような存在です。


読む前に確認しておきたい言葉

言葉 一言で言うと 身近な例え
エージェントAI 自分で動いて仕事を終わらせるAI 「よろしく」と頼んだら全部やってくれる有能な部下
Manus(マナス) 自律的に動くAIツールの名前 「何でも屋」の外注スタッフ
自律実行 人が指示しなくても次の作業に進む カーナビが次の角を自動で案内するようなもの
プロンプト AIへの指示文・依頼文 AIへの「発注書」

なぜ今、このAIが話題になっているのか

2026年5月、Business Insider Japanがエージェント型AIツール「Manus(マナス)」を特集しました。Manusはニュースの収集、データの分析、簡単なアプリの作成まで、人が途中で手を加えなくても自律的にこなせるという点で注目を集めています。世界最大規模のSNS企業であるMetaが買収を検討したと報じられるほど、その実力は業界内でも高く評価されています。

これまでのAIチャットは「聞いたら答えてくれる」ものでした。でも実際に使うと「調べる・まとめる・資料にする」という作業はまだ自分でやらなければなりませんでした。Manusはその「残りの部分」を引き受けてくれます。ChatGPTやGeminiといったAIチャットツールを使ったことがある方なら、「あの続きを全部やってくれるもの」というイメージが一番近いです。


活用シーン①:市場調査レポートを「丸投げ」したい製造業・小売業の経営者に

こんな場面で使えます

新商品を企画するとき、「競合他社は何を出しているか」「ネットでの評判はどうか」を調べる作業、担当者が丸1日かけてやっていませんか。

Manusへのプロンプト(AIへの依頼文)はこれだけで済みます。

「国内の中小製造業が導入している省エネ設備について、最新のニュースと主要メーカー3社の製品比較をまとめて、A4一枚分のレポートにしてください」

この指示を出すと、Manusはインターネットを自分で検索し、情報を集め、比較表を作り、レポートの形に整えて出力します。担当者が「次はどこを調べればいいですか?」と何度も確認する必要はありません。

具体的なステップ

  1. Manusのウェブサイトにアクセスしてアカウントを作る
  2. テキスト欄に「調べてほしいこと+まとめ方の希望」を日本語で入力する
  3. 完了を待つ(数分〜十数分)
  4. 出てきた結果を確認して、使えそうな部分を取り出す

注意点

Manusが集めた情報は必ず人が確認してください。AIが自律的に動く分、情報の正確さは最終的に人の目でチェックする必要があります。「たたき台を作ってもらう」というイメージで使うのが現実的です。


活用シーン②:提案資料のドラフトを自動で作りたいサービス業・士業の方に

こんな場面で使えます

税理士事務所や社労士事務所、コンサルティング会社では、顧客ごとに提案書を作る作業が毎月発生します。「この業種向けの補助金一覧をまとめて、活用できそうなものを3つ選んで説明を書いて」という作業は、担当者が数時間かけてやっているケースも多いです。

Manusならこのプロンプトで動きます。

「2026年度に中小企業が申請できる国の補助金のうち、飲食業に関係するものを調べて、申請期限・金額・対象条件を一覧にしてください。そのうち使いやすそうなものを3つ選んで、理由も短く添えてください」

Manusはウェブを自分で巡回し、情報を集め、表と文章の両方を組み合わせた資料の下書きを作って返してきます。

士業事務所での活用イメージ

作業 従来 Manus使用時
補助金情報の収集 担当者が2〜3時間 15〜30分で下書き完成
一覧表の作成 手入力 自動で表形式に整理
顧客への説明文 ゼロから執筆 ドラフトを修正するだけ

最終的な内容確認とお客様への説明は必ず人が行います。Manusはあくまで「調べてまとめる部分」を担当します。

どのAIツールを選ぶかで迷っている方は、[ChatGPT・Gemini・Copilotどれを選ぶ?中小企業がAIツールを選ぶときに最初に確認すべき3つのポイント]もあわせてご覧ください。


活用シーン③:定期的な情報収集を自動化したい小売業・飲食業の担当者に

こんな場面で使えます

競合店のSNS投稿をチェックしたり、業界ニュースをまとめたりする作業を、毎週誰かがやっていませんか。小売業や飲食業では「トレンドを早く知りたいが、調べる時間がない」という声をよく聞きます。

Manusに次のような指示を出すと、自動でネット上の情報を集めてまとめてくれます。

「今週話題になった飲食業界のニュースを5件集めて、それぞれ3行で要約してください。特に人手不足・コスト削減・新サービスに関連するものを優先してください」

毎週このプロンプトを使い回せば、担当者が1時間かけてやっていた情報収集が、確認作業だけで終わるようになります。

活用のコツ

  • プロンプトは一度うまくいったものをメモしておく
  • 毎回同じ形式で頼むと、比較しやすい資料が溜まっていく
  • 「まず試しに1週間だけ」という期間を決めてやってみる

AIの回答がなんとなくおかしいと感じたときの確認方法については、[「なぜかAIの回答がおかしい」を放置しない——中小企業がすぐ始められるAI動作チェック3つのポイント]が参考になります。


フィノジェンの見解:Manusを試すべき会社かどうか、自分で判断できるチェックリスト

以下の項目を読んで、当てはまるものの数を数えてみてください。

チェックリスト

  • □ 担当者が週に2時間以上、ネット検索や情報まとめに使っている
  • □ 提案書・報告書の「下書き」を毎回ゼロから作っている
  • □ 競合や業界ニュースのチェックが「できていない」か「後回しになっている」
  • □ 「調べておいて」と指示したが、担当者の負担が大きく申し訳ない
  • □ ChatGPTやGeminiを使ってみたが「結局自分でまとめ直した」経験がある

結果の見方

3つ以上当てはまる → 今すぐ試す価値があります
情報収集や資料作成の下書きにManusを使うことで、週単位で担当者の時間を節約できる可能性があります。まず無料で使える範囲から始めてみてください。

1〜2つ当てはまる → まずChatGPTやGeminiで練習してから
エージェントAIの前に、AIチャットで「指示を出す練習」を先にしておくと、Manusを使い始めたときにスムーズです。

0個 → 焦らなくてOKです
情報収集や資料作成の作業量がまだ少ない段階かもしれません。他の業務でAIを試してから、改めてManusを検討してみてください。


行動プラン

今週中にできること(お金ゼロ・1時間以内)
- Manusのウェブサイトにアクセスしてアカウントを作り、「自社の業種+調べてほしいこと」を日本語で入力してみる
- ChatGPTの無料版に「来月の展示会に向けて競合3社の製品特徴を比較してください」と入力し、AIへの依頼文(プロンプト)を書く練習をしてみる

今月中にできること
- 社内で「毎週誰かがやっている情報収集作業」を1つ選んで、Manusに試しで任せてみる
- 担当者と一緒に結果を確認し、「どこは使えるか・どこは修正が必要か」をメモしておく

3か月後の理想像
定期的な情報収集や提案資料の下書き作成に使う時間が、週3〜5時間ほど減っている状態を目指せます。その分の時間を、お客様との会話や新しい企画に使えるようになります。担当者1人が「AIに任せて確認するだけ」の仕事を1つ持てると、会社全体のスピード感が変わってきます。


よくある不安・疑問

Q1. ITに詳しくないと使えませんか?
日本語で話しかけるだけで動くので、特別なIT知識は必要ありません。メールを書けるレベルのパソコン操作があれば使い始められます。最初はうまくいかなくても、指示を少し変えるだけで結果が変わることが多いです。

Q2. 費用はどのくらいかかりますか?
Manusには無料で使える範囲があります。まず無料の範囲で試してみて、「これは使える」と感じてから有料プランを検討するという順番がおすすめです。いきなり大きな費用は発生しません。

Q3. AIが間違った情報を持ってきたらどうなりますか?
AIが集めた情報は、必ず人が最終確認します。「下書きを作ってもらって、人が仕上げる」という使い方を前提にしておけば、ミスが社外に出るリスクは大幅に下げられます。最初から全部任せるのではなく、「たたき台を作ってもらう役割」として使い始めるのが安全です。

Q4. 製造業や飲食業など、IT企業以外でも使えますか?
むしろIT企業以外の業種こそ、情報収集や資料まとめの手作業が多く残っているケースが多いです。製造業の市場調査、飲食業のトレンド把握、士業の補助金リサーチなど、どの業種でも「調べてまとめる」作業は発生します。

Q5. ChatGPTとどう違うのですか?
ChatGPTは「質問に答えてくれるAI」です。ManusはそこからさらにAI自身がウェブを検索して情報を集め、資料の形にまとめて完了させてくれる点が違います。詳しくは[ChatGPT・Gemini・Copilotどれを選ぶ?中小企業がAIツールを選ぶときに最初に確認すべき3つのポイント]もご参照ください。また、AIツールの料金の仕組みが変わりつつある背景については、[Claude CodeのPro除外問題は何を示したか――AI料金は「安価な定額」から「エージェント前提の段階課金」へ]もご覧ください。


参考文献

  1. エージェント型AI「Manus」の使い方と活用事例 - https://www.businessinsider.jp/article/2605-how-to-use-manus-ai-agent/
  2. Manus AI 公式サイト - https://manus.im/
  3. ChatGPT 公式サイト(OpenAI) - https://openai.com/chatgpt/
  4. Google Gemini 公式サイト - https://gemini.google.com/
  5. 中小企業庁「中小企業・小規模事業者向けデジタル化支援」 - https://www.chusho.meti.go.jp/
  6. 独立行政法人中小企業基盤整備機構「AI・ITツール活用支援」 - https://www.smrj.go.jp/
  7. 経済産業省「AI導入ガイドブック」 - https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/ai/index.html
  8. IT導入補助金2026 公式サイト - https://it-shien.smrj.go.jp/

 

この記事を書いたフィノジェンについて
フィノジェンは、AIを業務で使いこなしたい中小企業の経営者・推進担当者を支援しています。「理屈ではなく、今週から使える情報」をお届けすることを大切にしています

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA